ディスコは、1937年に広島県呉市で創業した「第一製砥所」を前身とするメーカーです。「製砥所」という名が示す通り、創業当初より「砥石(精密加工ツール)」の開発製造をおこなっており、1960年代からは「精密加工装置」の分野にも進出しました。
その後「高度なKiru・Kezuru・Migaku技術」に事業領域を定め、その領域のみにリソースを投入して技術の深耕を続けています。
寸法を極めて細かくコントロールしながら、対象物を「小さく」「薄く・平坦に」「強固に」するために加工する装置です。
おもに「砥石」です。砥石は樹脂などの結合材の中に人工ダイヤモンドを含ませたもので、高速回転させながら対象物を加工する消耗品です。
求められる加工品質や生産性に適した「装置」や「ツール」、ツールの回転数や切り込み深さ等の「加工条件」の組み合わせを導き出す技術です。
ディスコの技術は、現在おもに半導体の製造に用いられています。当社の顧客は半導体の製造メーカーであり、製造メーカーで稼動する加工装置やツールを製造しているのが当社という関係になります。「Kiru・Kezuru・Migaku」という人類誕生時からある普遍的な技術の中でも「高度」な領域で、最先端技術の集積である半導体や電子部品の製造を支えているのです。
ここで言う「高度」とは「精密」、つまり「極めて細かく正確」と言い換えられます。「極めて細かく正確」にKiru(切削)Kezuru(研削)Migaku(研磨)ことによって、半導体チップはより小さく、薄く、強固なものになっているのです。
※多数の半導体チップが形成された円盤状のシリコン素材
1/10000 mmレベルの寸法をコントロールし、割れ・欠けを抑えた品質で、小さく切ります。1辺が1mm以下の小ささに切りわけることもあります。
5 µmレベルまで薄く削ることが可能です。直径30 cmのウェーハの中の「厚さのばらつき」を、1.5 µm以内に収めることができます。ちなみにコピー用紙の厚さは、約100 µmです。
顔が映るほどに磨き上げて微細なダメージ層を除去することで、素材の「割れにくさ」が大きく向上します。
半導体は、スマートフォンやパソコン、テレビをはじめとした身の回りのデジタル製品、自動車、鉄道、飛行機といった交通インフラ、医療機器や認証センサー、IoTやAIに用いられる高速サーバやサーバ間の通信機器など、世界中の人々の毎日を豊かにする多くの場面で用いられている重要な部品です。そして、それら半導体製造の大半にディスコの技術が用いられています。
半導体の研究開発や製造はさまざまな国でおこなわれており、ディスコの売上比率は今や海外が8割以上を占めています。世界各地に構える拠点で、多くのディスコ社員がお客さまに寄り添い、さまざまな価値を提供しています。
最先端デバイスの加工に関する課題は多岐に渡るため、ディスコのものづくりの第一歩は、まずその課題を知ることから始まります。そしてその課題に応じた最適なパーツや機能を検討し、並行して加工検証もおこないながら装置の仕様を定めていきます。装置のパーツは、課題に細かくスピーディに応じるために内製化する場合もあります。そして、加工品質や生産性、コスト等、お客さまのさまざまな要望を満たす目処が立った後、工場立会い等を経て製品は出荷されていきます。
精密加工には長期間に渡る安定した加工精度が求められるため、客先工場で大量の素材を加工することで初めて表面化する課題も都度解決する必要があります。つまりディスコのエンジニアは、まだ形すら定まっていない段階から客先に納入されて長期間稼動した後におよぶまで、随所で製品に関わっていくのです。
加工実験を行いながら顧客とコミュニケーションすることで、課題を把握し、最適な加工提案を行います。
さまざまな加工ニーズを念頭に置き、より多くのお客様にマッチする装置の基本設計を行います。
メカ・電気・ソフトのエンジニアそれぞれの知恵を集めて、お客さまに喜ばれる仕様をかたちにしていきます。
精密加工ツールや精密加工装置の生産設備を設計・内製し、ディスコのものづくりの進化を担います。
事前の加工検証と同等の結果が客先納入予定の実機で再現できるか、顧客立ち会いの下、実験を行います。
顧客工場へ納入後、さらなる加工品質や生産性、使い勝手向上のための製品改造や加工条件の最適化、メンテナンスなどを担います。
東京大森の本社の正式名称「本社・R&Dセンター」が示す通りディスコの研究開発は、営業や管理部門と共に、主に東京本社の開発部門がおこなっています。製品製造は広島県呉市の二拠点と長野県茅野市の一拠点の計三拠点が担っており、天災等で一方の製造拠点の機能が停滞した場合も、別の拠点で補い、事業を継続してく体制を整えています。これら製造拠点においても、加工装置、加工ツールの開発の一部や、生産効率化に向けた内製設備開発をおこなっています。
また国内には、仙台・大阪・九州に販売・保守点検・加工検証サポート拠点を構えています。さらに海外では、カリフォルニア、上海、台北、シンガポール、ミュンヘンをはじめとした多くの拠点があり、国内同様に販売や保守点検、加工検証サポートを担っています。
*写真の建物はカリフォルニア
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