-KABRAとはどのような技術ですか?
【開発リーダーA】次世代パワーデバイスとして注目されているSiC(炭化ケイ素)単結晶ウェーハの製造プロセスです。従来SiCウェーハは、単結晶の塊(インゴット)に砥粒を含んだ切削油を掛けながら、複数のピアノ線を擦りつけ、削ることでスライスされ製造されていました。この方式は同時に複数枚を切り出せる反面、削り代が多く、加工に時間が掛かるという大きな課題がありました。その他にも、油の利用による非クリーンな製造環境や加工後に必要な脱脂処理工程など、作業環境上の課題も多い工法でした。
これに対しKABRAプロセスでは、レーザ光をインゴットの端面に照射して剥離しやすい層を形成することにより、1枚分のウェーハを切り出すことができます。次の1枚を切り出すために、レーザ光が吸収されやすくなるよう端面を研削(グラインディング)し、レーザ光を照射、また剥離といった工程を繰り返し、ウェーハを切り出していくのです。結果的にKABRAプロセスでは、従来方式に比べ削り代は1/3、加工時間は約半分にする技術革新に成功しました。
-どのようなきっかけで開発プロジェクトは始まったのですか?
【開発リーダーA】もともとレーザ技術部では、既存の確立された加工方法を単純にレーザ加工に置き換えるだけではそのメリットは生かし切れないと考えていました。そのため、加工困難な素材の加工や、従来にないカタチの加工にチャレンジし事業化していこうといくつかのテーマを並行して進めており、その中のひとつにレーザを“面”で加工するというものがありました。応用分野を調査すると、次世代パワーデバイスとして注目されているSiCが、その硬さのために加工が非常に難しく、ウェーハ製造上のボトルネックになっている事実がわかりました。「これに対するソリューションを提供できれば、社会に貢献できる」と、我々は考えました。
幸いディスコには、社内通貨であるWillを用いたIB(インベストメントボックス)という、社内クラウドファンディングのような制度があります。多くの企業でありがちな、無数の役員や管理職の根回しや合意、押印は不要で、賛同する社員からWillでの出資を集めればベンチャーを起業するように開発をスタートできるこの制度を、我々も利用しました。出資者に利益を還元する責任は伴いますが、自由度が高く、スピーディーに開発をおこなえる環境が整いました。
-ディスコで技術開発をおこなう魅力はなんですか?
【開発リーダーA】興味が沸いたことすべてチャレンジできることです。実験の設備や環境に恵まれていますので、多くの会社では認められないような基礎研究にも没頭することができます。また、得られた知見を周囲へ伝える機会も豊富にあり、好奇心に溢れた多くの仲間が自分の仕事に興味を持ってくれたり、賞賛してくれたりします。
【開発者B】KABRAの場合、レーザだけでなくグラインディングや剥離といったさまざまな加工技術が必要なのですが、ディスコの場合、部署内だけでなく部署間の風通しも良いので、垣根を越えた仕事がしやすいです。
【開発者C】なにかチャレンジしたいことがあれば、「やってみれば良いじゃん」とみんなが後押ししてくれることですね。
【開発者D】入社1-2年目の若造であっても雑用を押しつけられるようなことがなく、10年以上離れた先輩でも対等に扱ってくれることです。特に剥離の技術などは社内外問わず先駆者がいないため、先輩と議論し、いろんな仮説を立てながら試すしかありませんでした。帰宅の際の電車の中で、急にアイデアを思いつき、会社に引き返して実験を始めることもありましたね。そういう自由さも魅力です。
-プロジェクトにはどんな人が関わってますか?
【開発リーダーA】コアメンバーはKABRAプロセスの中心となるレーザ加工装置やグラインディング装置の機構設計、電気設計、ソフト設計のエンジニア、装置の加工レシピを開発するアプリケーションエンジニアで構成されています。装置開発のメンバーは、理学系/工学系出身の博士/修士/学士の方が多いです。アプリケーションエンジニアは文系学部出身も珍しくありません。ディスコではアプリケーション大学という、新卒が配属まで長い期間実務を学べる制度があるため、やる気さえあれば理系出身でなくてもエンジニアとして活躍できる可能性があります。
【開発者C】KABRAのメンバーは新規プロジェクトということもあり、本当に若手メンバーが多く自由な雰囲気が魅力です。
【開発者D】もともと学生時代の専攻が生命化学科だったけど、ディスコに入ってソフトエンジニアとして活躍している人もいます。
-プロジェクトメンバーから、未来の仲間にメッセージを!
【開発リーダーA】まだこの世になく、社会に貢献できる新しい技術を開発し価値を創造したい!そういったエンジニアを目指したい方は我々のチームに来てください。
【開発者B】このチームは本当に自由でフラットです。何でも自分で決めることができます。逆に指示待ちで、自分で決められない人は活躍するのが難しいです。
【開発者C】先輩の良く分からない指示で働くことがないようなチームです。自分が必要だと思う仕事ができます。でも決して楽ではないですよ。
【開発者D】年齢や社歴は関係なく、すぐに活躍することができます。新しく入ってきたメンバーのアイデアを潰す人はいません。でも、そのアイデアをとりあえず試行して、自ら実証する実行力も必要です。
こんにちは。ご質問のカテゴリをお選びください。
お問い合わせを送信しました
ご登録いただいた宛先に、確認メールをお送りしましたのでご確認ください。
確認メールが到着しない場合、送信エラーの可能性がありますのでお手数ですが再度お問い合わせください。
お問い合わせいただいた内容については、10営業日以内を目処に担当者よりご連絡させていただきます。
※採用活動に関連しない内容やセールス等のご連絡については返信いたしかねます。予めご了承ください。