半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、ダイシング後のウェーハからチップをピックアップし、厚さ・チッピング測定、裏面粗さ測定、抗折強度※1測定(破壊検査)を全自動で実施する装置DIS100を開発しました。従来手作業で実施していた工程を自動化することで、効率的で精度の高い測定を実現します。
また、測定データは記録することができるため、車載向けデバイスの品質監査時に求められるトレーサビリティ向上などに寄与します。
※1 抗折強度
チップを曲げて破壊した時の最大応力。抗折強度が高いほどチップが壊れにくく、歩留まりや最終デバイスの信頼性が向上します。
「自動運転レベル3」時代の到来や電気自動車の普及によって需要が増加している車載向けデバイスは、安全面の観点から品質管理が特に重要とされています。また大容量化に伴い極薄化が進むメモリデバイスでは、高い抗折強度のチップが求められています。
従来、チップごとの厚さやチッピング、裏面粗さ、抗折強度の自動測定装置がなかったため、それぞれ個別装置で測定する必要があり、測定工数や手作業に起因する測定ばらつきが課題でした。
DIS100は全自動で側面・裏面・抗折強度を測定・記録することができ、安定的かつ効率的なチップ品質管理を実現します。
ダイシング後のフレームカセットをDIS100にセットするだけで、指定したチップのピックアップから厚さ・チッピング測定※2、裏面粗さ測定※2、抗折強度測定(破壊試験)、高速度カメラ※3による破壊時の状態観察までを自動で実施します。
車載デバイスメーカーを中心に、トレーサビリティを上げるため、品質記録だけでなくチップそのものの保管も求められるようになりました。
DIS100 UNITRAY仕様では、側面・裏面測定後の指定チップをディスコ独自のUNITRAYにコンパクトに保管することができます。
ウェーハロット番号などの管理情報をバーコード化してUNITRAYにラベリングしておくことができ、バーコードを読み込むことで容易にチップデータにアクセスが可能です。
JEDECトレイと外寸が同一のディスコオリジナルICチップトレイ。
全面の弱粘着ゲルシートがチップを安定的に保持します。また、洗浄することで繰り返し使用できます。
厚さ測定(分解能:0.2 μm)
表裏面のチッピング測定(幅1 μm以上)
研削面の面粗さ測定
フレームレート:40万フレーム/秒
(最大200万フレーム/ 秒)
※2 オプション
※3 特殊対応
2020年12月14日~17日(2021年1月15日まで閲覧可能)
販売中
株式会社ディスコについて
当社は、半導体や電子部品の製造に使用されるダイシングソーやグラインダなどの精密加工装置、および装置に取り付けて使用する精密加工ツールを提供する半導体製造装置メーカーです。これら製品に加え、装置とツールの利用技術の提供によりお客様の最適な加工結果を追求してきた結果、国内外のデバイスメーカーおよび半導体受託製造企業などに広く、当社製品・加工技術が採用されています。
詳細については、ウェブサイトwww.disco.co.jpをご覧ください。
株式会社ディスコ 広報室