半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、広島事業所・呉工場および桑畑工場で製造する精密加工ツール※1の主要品種において、自動車産業に特化した厳格な国際規格である「IATF16949」に準拠した品質マネジメントシステムを自社で構築し、適合証明を取得しました。
IATF16949は、自動車産業サプライチェーンの品質マネジメントシステムに関する国際規格です。ISO9001に、安全性・信頼性など自動車産業特有の要求事項が追加された厳格なもので、車載部品・材料メーカーを取得対象としています。当社を含めた自動車産業外の企業は、審査機関が独自で行うプライベート認証制度を利用することで、適合証明(Letter of Compliance)の取得が可能です。プライベート認証の審査スキームはIATF16949と同一のため、適合証明の取得がIATF16949と同等の品質マネジメントシステムを構築している証となります。
電気自動車の普及や自動運転技術の進展により、車載半導体の数量が年々増加しています。性能が人命を左右する可能性がある車載半導体とその材料には、高い信頼性が求められます。こういった状況下、半導体製造装置メーカーである当社に対しても、車載半導体の製造工程においてワーク(ウェーハやパッケージなど)に直接触れることになる精密加工ツールにおいて、厳格な品質管理が求められるようになりました。
今後は車載半導体のみならず、さまざまな先端半導体デバイス製造において、より高い品質管理が求められることが予想されます。そのためIATF16949に準拠した品質マネジメントシステムを運用することが、今後のより高品質かつ高付加価値な製品の安定供給にも結びつくものと考えております。
1995年8月のISO9001取得以降、当社は高い品質マネジメントシステムの構築を目指した取り組みを進め、2014年11月24日に精密加工ツールの一部の製品でIATF16949の前身規格であるISO/TS16949※2の適合証明を取得いたしました。この背景には、車載半導体への顧客要望の増加があります。その後、徐々に適合製品の範囲を広げ、このほど2022年2月28日に広島事業所・呉工場および桑畑工場で製造する精密加工ツールの主要品種に対するIATF16949適合証明を取得いたしました。
※1:精密加工装置に取り付けて半導体製造に使用する、日々交換が必要な消耗品。ダイシングブレード、グラインディングホイール、ドライポリッシングホイール
※2:ISO/TS16949は2017年にIATF16949に移行
(2022年4月6日追記)
「IATF16949」適合証明サービスは認証機関の決定により廃止となりました。それにともなう当社の対応については2022年4月6日のニュースリリースをご覧ください。
株式会社ディスコについて
当社は、半導体や電子部品の製造に使用されるダイシングソーやグラインダなどの精密加工装置、および装置に取り付けて使用する精密加工ツールを提供する「半導体製造装置メーカー」です。これら製品に加え、装置とツールの利用技術の提供によりお客様の最適な加工結果を追求してきた結果、国内外のデバイスメーカーおよび半導体受託製造企業などに広く、当社製品・加工技術が採用されています。
詳細については、ウェブサイトwww.disco.co.jpをご覧ください。
株式会社ディスコ 広報室