「中工程リサーチセンター」を開所

半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家一馬)は、「中工程リサーチセンター」を2023年7月1日に開所いたしました。

開所の目的

半導体製造の「前工程」で回路が形成されたウェーハは非常に付加価値が高いため、その後の工程において高い歩留まりが求められます。その中でも当社が担うグラインディング(研削によるウェーハの薄化)やダイシング(切削によるウェーハの個片化)工程は、加工不備があるとウェーハ1枚全体が品質不良になってしまうリスクがあるため、加工や搬送の慎重さや確実さが特に求められます。さらに、後工程において大量の不良を発生させてしまうと代替のウェーハが前工程からすぐに供給されないことが多く、サプライチェーン全体に大きな影響を及ぼすことになり、自動車業界のリーンな生産体制において大きな課題となりつつあります。そのような課題認識のもと、従来は半導体製造の「後工程」に含まれるこれら工程を、当社では「中工程」と位置づけて研究開発を進めてまいりました。この中工程向けの研究開発と顧客向けのデモンストレーションを行う拠点として、この度「中工程リサーチセンター」を正式に開所いたしました。当センターにはウェーハ搬送システム「RoofWay」やクラスターシステム「MUSUBI」を常設し、生産システムの自動化を通じたオペレータの負担軽減やウェーハの加工・搬送品質向上を実現するための研究を重ねています。
半導体の車載が増える中、半導体にも人命を預かるための、より厳格な品質管理が要求されるようになっております。人の関与に起因する品質の揺らぎを減らすため、本センターにおいてオペレータの関与を極限まで削減した生産プロセスの実現を目指して参ります。

中工程リサーチセンター内部の様子

中工程リサーチセンター 装置配置見取り図

グラインダによる薄化、ダイシングソー/レーザソーによる個片化、加工後のチップピックアップ・観察・測定といった一連の工程を全自動搬送ロボットでつなぎ、無人化プロセスの検証をすることが可能な施設です。

プレオープンから正式開所へ

当センターは2021年12月にプレオープンしており、正式開所までの期間は、一部顧客を招いて意見を賜りながらシステムの完成度を向上してまいりました。新型コロナウィルスの5類感染症への移行から日が経ったことで、当センター訪問への積極的な呼びかけが可能になったため、この度の正式開所に至りました。

中工程リサーチセンター概略

名称 株式会社ディスコ 中工程リサーチセンター
正式開所日 2023年7月1日
所在地 熊本県上益城郡益城町田原2081-12(当社九州支店隣接地)
建屋規模・構造 鉄骨造2階建
延べ床面積 約662.48m2
投資総額 約1,160,000,000円

株式会社ディスコについて
当社は、半導体や電子部品の製造に使用されるダイシングソーやグラインダなどの精密加工装置、および装置に取り付けて使用する精密加工ツールを提供する「半導体製造装置メーカー」です。これら製品に加え、装置とツールの利用技術の提供によりお客様の最適な加工結果を追求してきた結果、国内外のデバイスメーカーおよび半導体受託製造企業などに広く、当社製品・加工技術が採用されています。
詳細については、ウェブサイトwww.disco.co.jpをご覧ください。

お問い合わせ

株式会社ディスコ 広報室


おすすめページ