プロセス対応力を向上
Φ300 mmウェーハ対応フルオートマチックダイシングソーDFD6363を開発

半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家 一馬)は、Φ300 mmウェーハ対応フルオートマチックダイシングソー「DFD6363」を開発しました。DFD6363は、Φ300 mm Siウェーハでの半導体生産において広く採用されている主力機、DFD6362のプロセス対応力をさらに向上したダイシングソーです。SEMICON Japan 2018(12/12-14:東京ビッグサイト)にて当機を初出展します。

開発背景

IoTやAIの進展、自動車の電装化、データ通信量の増加に伴うサーバ・ストレージ需要の高まりなどを背景に、半導体市場は今後も拡大が見込まれます。Φ300 mm Siウェーハでの量産ニーズに対し、当社はこれまでフルオートマチックダイシングソーDFD6362およびDFD6361を提供しており、これらは世界中の半導体メーカーで稼働しております。
一方、近年は半導体製造プロセスの多様化が進むと同時に、生産性のさらなる向上が求められています。これらに対応するダイシングソーとして、DFD6363を新たにラインアップしました。

DFD6363の特徴

多様なアプリケーションに対応

  • フレーム搬送/ウェーハ搬送兼用※1
    ダイシングフレーム搬送とウェーハ直接搬送の双方を、搬送機構の段取り替えなく兼用可能です。これにより、フレーム搬送によるフルカットのみならず、ウェーハを直接搬送し、ハーフカットした後に裏面研削することでチップ分割を行うDBGプロセス※2などに対応できます。
  • ブレード自動交換による稼働率向上※1
    ブレードのライフエンドを自動検知し、ブレード交換から加工復帰までを全自動で行うABC(Auto Blade Changer)の搭載で、ダウンタイムの最小化が可能です。さらに、加工ワーク変更に伴うブレード交換時の品種間違いも防止できます。

基本性能の向上

  • 表示モニタの大型化
    従来15インチだった画面サイズを19インチにサイズアップすることで、表示可能な情報量が増えるとともに、視認性・操作性が向上しています。
  • 多軸同期制御による動作待ち時間短縮
    従来、個別に制御していた3つの加工軸(加工テーブル軸、カット位置決め軸、カット深さ調整軸)を同期制御することにより、軸動作の待ち時間を短縮しました。
  • 新型1.8 kWスピンドル搭載による加工安定性向上
    従来の1.2 kWスピンドルと同等のサイズで、1.5倍のトルクアップを実現しました。これにより加工安定性の向上が可能です。
  • 新型NCS(Non-Contact Setup)による生産性向上※1
    加工テーブルに対するブレード高さの位置決めを非接触で行うNCSを改良し、測定時間を74%短縮しました。また、測定精度の向上により、加工品質のさらなる安定化が可能です。

今後の予定

2018年12月 SEMICON Japan 2018出展
2019年10月 販売開始予定

※1 : オプション対応
※2 : DBGプロセス(Dicing Before Grinding)とは、従来の「裏面研削→ウェーハ切断」というプロセスを逆転させ、先にウェーハをハーフカットした後、裏面研削によりチップ分割する加工手法です。チップ分割時の裏面チッピングやウェーハの破損リスクを抑えられるため、Φ300 mm ウェーハによるメモリ生産で多く採用されています。

お問い合わせ

株式会社ディスコ 広報室


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