大口径ダイヤモンドウェーハ製造を実現するKABRA®プロセスを開発

半導体製造装置メーカー・株式会社ディスコ(本社:東京都大田区、社長:関家 一馬)は、レーザによるインゴットスライス技術「KABRA」を応用したダイヤモンドウェーハ製造向けのプロセスを開発しました。当プロセスは、ダイヤモンドウェーハの大口径化に寄与します。



大口径ダイヤモンドウェーハ

開発背景

ダイヤモンドはシリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウムなどに比べ、優れた材料特性を持つことから「究極の半導体材料」と呼ばれています。特に絶縁耐圧や熱伝導性に優れていることからパワー半導体向け材料として期待され、さまざまな研究機関でデバイス開発が進行中です。一方、他に類を見ない硬質材料であることから機械的な加工は困難とされてきました。このため、ダイヤモンド結晶のインゴットからのウェーハスライスには、一般的にレーザが用られていました。しかしながら、従来のレーザスライス方式ではインゴット側面から加工を行うためインゴット径に制約があり、大口径化が困難でした。KABRAによるスライスではインゴット上面からレーザ照射を行うためインゴット径に制約が無く、大口径化に対応することが可能です。

図1:既存レーザによるスライス方式

図2:ダイヤモンド向けKABRA

特徴

  • Φ50mmを超える大型インゴットに対応
    従来のインゴット側面からレーザを照射する方式(図1)ではΦ30mm程度が限界でした。KABRA方式(図2)はインゴット上面からレーザを照射するため、インゴット径の制約を受けません
  • 100µm以下の切り出しが可能
    KABRA方式ではインゴット上面から浅くレーザを照射することで、薄片での切り出しが可能です。そのため従来方式と比較し、より多くのウェーハを切り出すことが期待できます
  • 従来方式同等以上のスループット
    切り出し速度は従来方式同等以上であり、低コストを実現します

なお、本技術の関連特許 45件を登録済です

今後の対応

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株式会社ディスコについて
当社は、半導体や電子部品の製造に使用されるダイシングソーやグラインダなどの精密加工装置、および装置に取り付けて使用する精密加工ツールを提供する「半導体製造装置メーカー」です。これら製品に加え、装置とツールの利用技術の提供によりお客様の最適な加工結果を追求してきた結果、国内外のデバイスメーカーおよび半導体受託製造企業などに広く、当社製品・加工技術が採用されています。
詳細については、ウェブサイトwww.disco.co.jpをご覧ください。

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