有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは世界中の半導体メーカや電子部品メーカ向けに製品を製造・販売しているため、お客さまの設備投資動向や生産動向の影響を受けます。特に半導体は、需給のバランスによって変化する市場であり、半導体メーカの業績はこうした動き、いわゆるシリコンサイクルの影響を受けます。そのためダウンサイクルや予期せぬ市場変動によってお客さまが設備投資凍結や減産などを行った場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
この需給の変動への対策が、変化への対応力のある組織づくりです。Will会計(当社独自の管理会計)、PIM(Performance Innovation Management)と称する改善活動の継続的な取り組みは、コストダウンやミスの低減等が利益率の向上に寄与しダウンサイクルへの備えとなるだけでなく、一人ひとりが自ら考え、より良い解決策を実行する人財の育成、延いては、変化に柔軟に対応する企業文化の醸成に繋がっております。
当社グループは主に半導体シリコンウェーハ加工用の半導体切断・研削装置や精密ダイヤモンド砥石を製造・販売しております。今後、精密ダイヤモンド砥石に替わる加工技術が誕生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社グループは精密ダイヤモンド砥石では切断が難しい素材向けなどに、レーザやプラズマを用いた加工技術等の開発を進めております。
当社グループは東京都大田区内に本社・R&Dセンター、広島県及び長野県に生産拠点を有しております。今後それらの地区に大規模な災害や大規模な感染症の流行などが発生した場合、本社機能や製品生産に影響を与える可能性があります。
当社グループは組織的に継続した対策を実行するために代表取締役社長をチェアマンとする役員で構成され、平時よりBCMS (Business Continuity Management System:事業継続マネジメントシステム)に関する重要事項の審議を行うBCMコミッティーを設置・運営するとともに、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)専門の部署を設置しております。そして、BCMにおける最も重要な対策は「従業員一人ひとりが自分の身を守れること」であると考え、自然災害や感染症などのリスクを想定し、従業員への啓発や身を守るための行動促進に努めています。例えば、感染症は、治療よりもまず感染しないことが重要と考え、パンデミックへの備えと啓発活動の一環として、独自のパンデミックレベルを設定し、レベル別の行動基準の遵守を従業員に義務づけております。また、地震に関しては、本社・R&Dセンターや各生産拠点において免震構造を採用、全ての精密加工ツール・精密加工装置を免震構造棟で生産できる体制を整えております。
原材料・部材の需給逼迫や災害に起因する原材料・部材の調達難が生産に影響を与える可能性があります。これに対して、当社グループでは重要な原材料・部材を中心に政策的な在庫の確保、仕入先との関係強化等の対策を実施しております。
当社グループは国内で製品を製造し、世界中の半導体メーカ、電子部品メーカへ輸出しており、地域、お客さまによっては米ドルなどの外貨建ての決済ニーズがあります。そのため、為替変動は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。これに対して、為替感応度の分析を行い業績に与える影響を把握し、リスクが顕在化した際に迅速に意思決定出来る体制を整えております。
当社グループは、気候変動問題、水質、化学物質、廃棄物等多様な環境問題に対し環境法及び規制の影響を受けており、年々それらの規制が厳しくなっております。環境法等の厳格化に対応するため、追加的義務並びにコスト増加が発生するリスクがあり、当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があるため、法令遵守のみならず、環境リスク低減に努めています。なお、当社が目指す環境中期目標は、気候変動、化学物質/汚染予防、水資源、その他の資源(購入品/廃棄物)、生物多様性の観点を含めて「環境ビジョン2030」として策定中であり、決定次第公表いたします。
上記に挙げたリスクに加え、世界及び各地域における経済情勢、自然災害、戦争・テロ、金融・資本市場、法令や政府による規制、製品の欠陥、仕入先の供給体制、知的財産権などの影響を受けます。これらの諸要因により、場合によっては当社グループの業績が悪影響を受ける可能性があります。