事業について

  • 半導体製造工程とディスコの製品の関わり
  • 4つの事業分野
  • 未来の価値を創造するR&D
  • 進化し続けるものづくり

半導体製造工程とディスコの製品の関わり

現在、ディスコ製品の大半が導入されている半導体製造工程では、機械・電気・物理・化学・情報処理など、多岐にわたる技術が活用され、付加価値の高い半導体がつくられていきます。

4つの事業分野、オンリーワンのトータルソリューション

ディスコの事業は4つの分野で成り立っています。
これらを有機的に融合することで生み出すトータルソリューションこそ、ディスコの最大の強みです。

精密加工ツール

創業以来培ってきた、70余年の技術の粋

精密加工ツールとは、人造ダイヤモンドを用いた砥石に代表される製品です。装置に装着し、高速で回転させることで、素材の切断や研削を行います。切るための「ブレード」や、削るための「ホイール」、磨くための「ポリッシングホイール」などがあり、形状・厚さ・原材料・ダイヤモンドの大きさなど、加工要望に応じた選定が可能です。
ディスコはもともと砥石製造に立脚したメーカー。1937年の創業以来、お客さまの課題を解決する具体的な手段として開発を続け、現在ではその種類は数万にも及びます。

精密加工装置

高度な「切る・削る・磨く」の実現、発想は無限大

精密加工装置は「切る・削る・磨く」加工を行う装置の総称です。ディスコではこれまで「ダイシングソー」や「グラインダ」など、砥石を装着して加工する装置を主に開発してきました。近年では、光で切る「レーザソー」やガスで磨く「プラズマエッチャ」など、加工手段の広がりも顕著です。
品質や生産性に加え、省スペース、低環境負荷など、お客さまの装置への要望は千差万別。そういった要望に緻密に対応するために、大半の装置は標準仕様にカスタマイズを加えた「セミオーダーメイド」となります。
ディスコはこれからも、高度な「切る・削る・磨く」技術領域で、人々の快適を創造する発想をカタチにしていきます。

アプリケーション

お客さまが真に求める「商品」

「加工ツール」と「装置」、砥石の回転数や送り速度といった「加工条件」。これらの組み合わせは無限にあり、お客さま自らが最良の製品選定をするのは容易ではありません。この課題を解決するのがアプリケーション技術。専任のエンジニアが、お客さまにご提供いただく素材を加工検証(テストカット)することで、最良の加工結果に導く組み合わせを提案します。
ディスコでは、加工に関する課題の解決策、つまり「最良の加工結果」が商品であり、加工ツールや装置はそれを実現する手段と考えています。その考えを具現化する場として、本社・R&Dセンターに70を超える加工検証用ブースを設置している他、国内外の拠点にもアプリケーションラボを設け、無償でテストカットに対応しています。

サービス

ものづくりへの熱意は、サービスで結実

ディスコでは、製品納入後のサービスも重要な事業の柱と考えています。具体的には、装置の定期点検・修理などを行うアフターサービスと、オペレーション・メンテナンスのスキルを修得していただくための研修サービスが中心となります。アフターサービスを担当するカスタマーエンジニアには、6段階の社内資格制度を設け、世界中で同じ品質のサービスを提供できる仕組みを整えています。また、研修サービスでは、アンケートを通じていただく受講者の声を改善に生かし、満足を超えた「感動」を提供できるサービスを目指しています。
ディスコが加工ツールや装置など形あるものに寄せるものづくりへの熱意は、手に触れるような形のないサービスまで行き届いてこそ結実すると信じています。

未来の価値を創造するR&D

独創的なアイデアを積極的に活用し「未知のKiru・Kezuru・Migaku」の実現に挑戦し続けています。

東京に大規模な研究開発拠点

ディスコでは、本社機能と研究開発機能を兼ね備えた「本社・R&Dセンター」を東京都大田区大森に構えています。
羽田空港からも、新幹線が停車する品川駅からもアクセスしやすい大森の地を研究開発拠点に選んだ背景には、お客さまとの距離を短くして、頻繁に技術相談に来ていただきたいという思いがあります。お客さまからの相談内容は、ディスコにとって次代の研究開発に向けた大きなヒントであり、貴重な財産となります。

「ひらめき」と「やってみること」を大切にする研究開発環境

本社・R&DセンターB棟は、フロアの大半が研究開発施設に充てられています。この棟では、エンジニアのデスクがある事務所スペースが、検証用の装置が並ぶスペースと隣接しています。エンジニアのひらめきを、実機を用いてすぐに検証できる環境を整えることで、変化の速い半導体業界においても、価値の高い独創的な技術や製品を提供し続けることができるのです。

お客さまのニーズを新たな進化に

お客さまが求めているのは、製品そのものではなく、それを使って得る「加工結果」であるという考え方をディスコでは大切にしています。お客さまの求める加工結果の実現可否を、実際の加工を通じて検証(テストカット)するのが、本社・R&Dセンターをはじめ、国内外拠点に設けている「アプリケーションラボ」です。ラボでのテストカットは、お客さまとの信頼関係をより強固なものとすると同時に、加工結果を導き出すプロセス自体がディスコに高度なノウハウをもたらしてくれます。そのノウハウの蓄積こそが、さらに高度な相談に応える糧となっていくのです。

進化し続けるものづくり

創業当初から脈々と受け継がれるものづくり精神は製造プロセスの隅々まで行きわたり、常に進化を続けています。

ディスコの原点はものづくり

ディスコは1937年に広島県呉市に「第一製砥所」という砥石メーカーとして創業しました。現在に至るまで、製品や技術は時代に応じたさまざまな変遷を経ていますが「お客さまのニーズに応え、本質的な満足を提供し続ける」というものづくりに対する姿勢は、創業以来変わらずに持ち続けています。創業の地である呉市に3カ所、長野県茅野市に1カ所、合計4カ所にディスコの生産拠点があります。

セミオーダーメイドに応えるために

ディスコの装置には標準仕様が存在しますが、ほとんどのお客さまは加工内容に合わせてカスタマイズを希望します。お客さまからいただいた要求仕様を製品に着実に反映させるため、営業・技術・購買・製造・アプリケーションなど、複数の部署が綿密に連携を図ります。加工点に関わる特に重要な部品は社内製造比率を高め、より信頼性の高い製品を提供できるように日々努力しています。

進化活動でお客さまの喜びを創造

全社的に展開しているPIM※活動を、製造現場でも積極的に推進しています。ブレード製造における不良発生率ゼロ活動や、装置製造における組み立て工数の削減など、製品の納期短縮や安定供給といったお客さまの喜びに直結する成果を上げています。

※PIM:Performance Innovation Managementの略。
部署単位で「あるべき姿」を基に目標を定めて短期間で振り返り、目標と現状のギャップから、進化するための「気づき」を得る活動。張り紙や付箋紙を多用した目標と現状の「見える化」で、日常的に意識することを促す。