ディスコの役割は、高度なKiru・Kezuru・Migaku技術を進化させ、より使いやすい形にして社会に提供し続けていくこととし、Missionとして明文化しています。
売上高やグローバルシェアなど、規模的成長は結果として得られるものであり、目的としていません。Missionの実現性の向上に取り組むことで、結果として企業価値の向上と競争力向上に繋がり、資本市場の皆さまの期待に応えることができると考えています。
そのため、資本の活用および株主還元については、以下の考え方に基づき行ってまいります。
ディスコは、高度なKiru・Kezuru・Migaku技術にこだわり、事業の質を高めてまいります。
具体的な指標としては次の項目を設定しています。
「4年累計連結売上高経常利益率 20%以上」
「4年累計連結RORA※ 20%以上」 ※Return On Risk Assets
ディスコは、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動のため、自己資金の活用は重要な課題だと考えています。
これらの考え方をふまえ、資金は会社の対応力向上のために活用してまいります。
ディスコを長期で応援してくださる株主の皆さまへの還元は、「配当による還元」を基本方針としています。
基本の配当性向は25%(業績連動)とし、年度末時点で将来に備えた投資資金を勘案した上で余剰資金が発生した場合、その余剰資金の1/3を追加配当(※)として還元いたします。
余剰資金が発生した場合、その時点で全てを還元するとその年度においては配当額が多額となる一方、次年度には大幅な減配となります。これを防ぐため、配当額をある程度平準化して安定的にお支払いするためにも余剰資金は毎年1/3ずつ還元いたします。
1株当たり配当金 (単位:円) |
配当原資 | FY14 | FY15 | FY16 | FY17 | FY18 | FY19 | FY20 | FY21 | FY22 | FY23 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中間 | 業績連動 配当性向25% |
24 | 28 | 28 | 47 | 38 | 30 | 39 | 66 | 94 | 76 |
期末 | 24 | 26 | 29 | 40 | 29 | 34 | 52 | 87 | 98 | 119 | |
期末・追加 | 余剰資金から | 5 | 51 | 68 | 43 | 40 | 82 | 135 | 116 | 114 | 112 |
年間配当額 | - | 53 | 105 | 125 | 130 | 107 | 146 | 226 | 269 | 305 | 307 |
配当性向 | - | 27.6% | 48.8% | 55.3% | 37.6% | 40.1% | 56.9% | 62.4% | 44.0% | 39.9% | 39.5% |
自社株買いへの考え方
株主還元の手段として「配当」に加えて、資本効率や経営環境などを踏まえて「自社株買い」を実施していくことを検討いたします。
自社株買いの実施時期は、自己株式の消却によって1株当たりの純資産が実質的に減じない株価水準において行う方針です。取得した自己株式は原則消却いたします。
これは、1株当たりの価値をより向上させることで、既存の株主の皆さまへの還元とともに、今後もディスコ株を保有してくださる株主の皆さまに対して、長期視点で還元することを目的としています。
単位:円 | FY14 | FY15 | FY16 | FY17 | FY18 | FY19 | FY20 | FY21 | FY22 | FY23 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1株当たり純資産 | 1,410 | 1,558 | 1,676 | 1,895 | 2,031 | 2,091 | 2,322 | 2,703 | 3,202 | 3,740 |
ディスコ株価(3月末) | 4,093 | 3,180 | 5,643 | 7,650 | 5,257 | 7,120 | 11,583 | 11,467 | 15,300 | 57,190 |
※当社は2023年4月1日付けで普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。
FY22以前の配当額や1株当たり純資産は株式3分割が行われたと仮定して記載しております。
そのため端数処理の関係で内訳と年間配当額が一致しない場合があります。
以上の考え方を踏まえてディスコを長期視点で応援してくださる 資本市場の皆さま の参画を心より歓迎いたします。
当社は、資本コストを上回る超過利潤が複利的に拡大することで企業価値が向上していくと理解しております。そのためには、事業の構造的な強さが圧倒的である必要があると考えております。事業構造のより一層の強化を図ってまいります。
また、強い事業構造を支える組織構造の良質化も重要課題であると認識しております。
良質な企業文化の醸成(DISCO VALUESの浸透)をはじめ、個人別管理会計(Will会計)、進化し続ける仕組み(PIM活動)、高度なKiru・Kezuru・Migaku技術の研究開発、内製化や手作り一級など、「会社を強くする取り組み」が結果として高いシェアや高い収益性の実現につながり、事業の質が高まると認識しております。組織経営の強さは一朝一夕には模倣されず、持続的かつ構造的な差別化につながると考えております。
そのため、資本効率だけでなく、事業における本質的な資産効率向上を目的として、棚卸資産や固定資産など換金性の低い資産の効率性を高めることが重要です。当社は2003年よりRORA(Return On Risk Assets)を経営指標として設定し、4年累計連結で20%以上を維持すべき水準と定義しております。
この4年累計連結RORAを向上させることが、結果として資本コストを上回る資本生産性につながると認識しております。
なお、4年累計連結RORAの20%維持を最低水準としておりますが、従業員賞与にその達成を連動させる等、全社で資本コストを常に意識するための施策を行っております。RORAを常に意識することで各種指標の分母となる資産を増大させないようにする一方、利益率や利益額を役員賞与、従業員賞与に大きく連動させることにより分子となる利益を大きくすることを全社一丸となって目指しております。
重要指標であるROEそのものをトラッキング指標とはしておりませんが、前述のとおり、その分母も分子も20年以上にわたり意識する経営を行ってきた結果、ROEに関しても市場平均を大きく上回っていると分析しております。今後も、いかに分母を増やさず分子を増やすかを重要課題として経営してまいります。
当社は、「会社を強くする取り組み」を資本市場の皆さまに伝え、さらに経営のヒントを得るためにも、積極的な対話を実施しております。
四半期毎の決算説明会に加えて、機関投資家・アナリストとの個別ミーティング、自社主催のグループミーティングや技術説明会、証券会社主催のグループミーティングや機関投資家向けカンファレンスなど、様々な形式で国内・海外の投資者と対話を行っています。
<機関投資家・アナリストとの対話実績> ※
2024年3月期 3,540人※ 延べ対応人数で集計(決算説明会の参加人数は含まない)
ミーティング形式は個別ミーティングやグループミーティングをオンラインまたは対面にて実施
参加者属性は国内・海外のバイサイドアナリスト、ポートフォリオマネージャ、セルサイドアナリストなど
対話を通じて「会社を強くする取り組み」を資本市場に伝え、企業価値の向上に努めてまいります。