レーザをワーク内部に集光することで内部に改質層を形成し、テープエキスパンド等にてチップ分割をおこなうダイシング手法です。
テープエキスパンド前
テープエキスパンド後
ディスコはステルスダイシング技術の特許ポートフォリオを有する浜松ホトニクス様のアライアンスパートナー※です。
※ステルスダイシング技術に関する特許ポートフォリオを包括的にライセンスされている業務提携先であるシステムインテグレーター
https://www.hamamatsu.com/jp/ja/product/semiconductor-manufacturing-support-systems/stealth-dicing-technology/alliance-partners.html
複雑な微小素子が既に組み込まれているチップや、中空部がある構造のチップ等、MEMSチップの切り出しは、一般的には洗浄水や加工負荷に対してあまり強くありません。ステルスダイシングは、加工・洗浄に水を使用しない上、チップの表裏面へのダメージもほぼないため、高品質なMEMSの加工が期待できます。
ステルスダイシングでは、ストリート幅(カット幅)を狭くすることが可能であるため、通常のダイシングと比較して、1ウェーハ内でのチップ取れ個数の向上が期待できます。ラインセンサー等の長尺形状チップに、特に有効な手法です。
長尺形状チップのウェーハでのストリートリダクションによる、チップ取れ個数向上例
Hasen Cutとは、レーザ加工中に、設定した周期でレーザ光のON/OFFを繰り返しながらカットする方法です。ON/OFFの設定次第で、さまざまな形状に加工することが可能です。
Hasen Cutを利用することで、従来のレーザフルカット加工やブレードダイサでは実現できなかった、 不規則なチップ形状の組み合わせのウェーハを加工することが可能です。
6角形、8角形・・・等の多角形のチップでも、無駄なく加工することが可能です。また、正多角形でなくとも、条件次第で加工できる場合もあります。
下図のように、Hasen Cutを応用することで、ダイシングストリートが断続的になるチップレイアウトにも対応ができます。これにより、特に1チップが大きく高価なウェーハや、長尺チップの場合などに、ウェーハを有効に活用し、チップ取れ個数を増やすことができます。
ダイセパレータは、ダイシングテープをエキスパンドすることで、ステルスダイシングによる改質層形成後のウェーハをチップ状に分割する装置です。
まず、ステルスダイシング後のウェーハを、エキスパンドステージでテープエキスパンドして分割します。その後、ヒータエキスパンドステージで、200℃以上の高温でテープを熱し収縮させる(ヒートシュリンク)ことでテープ外周に生じたたるみを解消します。
これにより、テープの貼替えを行わずにテープフレームのまま次工程への搬送が可能です。
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