高速ロジックの絶縁膜として使用されているLow-k膜は機械的強度が低く、一般的なブレードダイシングでは、膜剥がれが発生するリスクがありました。このLow-k膜含む配線層をレーザソーにより除去するのが、Low-kグルービングプロセスです。
最初にダイシングストリート内に細い溝(グルーブ)を2本形成し、その間をブレードでフルカットダイシングします。この加工方法によってスループットは向上し、チッピング、デラミネーション(膜剥離)等の加工品質における問題を低減もしくは解決することができます。
π(パイ)レーザグルービング(ステップカットブレードダイシング)
イメージ動画
ω(オメガ)レーザグルービング(ワンパスブレードダイシング)
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ダイシングストリート断面写真
π(パイ)レーザグルービングした後、 ブレードダイシングでステップカットした。
Low-k層と金属配線の拡大写真
チッピングやデラミネーション(膜剥離)がわずかしか見られない。
300 mmウェーハ対応の全自動レーザソーDFL7161によるグルービング加工は、ショートパルスレーザを用いた極めて熱影響の少ない非熱加工で、ストリートからLow-k膜や銅などの金属配線の除去を行います。オペレーションにはLCDタッチパネルとグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)を採用し、操作も容易です。
レーザ加工点
DFL7161はショートパルスレーザをウェーハ表面に焦点を合わせて照射します。レーザパルスはLow-k膜に連続的に吸収され、あるレベルの熱エネルギーを 吸収した後、Low-k膜を瞬時に気化させます。相互作用により気化した物質がウェーハから熱エネルギーを奪うため、極めて熱影響の少ない加工を行うことができます。
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